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2月12日 いつかしら物語 [日記]

第一話 耳栓

今から数年前のことですが、私は一時期耳栓をして寝ていたことがありました。
というのも、その頃の私の仕事が夜間勤務であったため、寝る時間はいつも外が明るい時間帯だったのです。
私の寝る時間が世間一般の活動時間なものですから、そりゃあ外は静かじゃありません。
車の音、工事の音、犬が吠えたり、近所の話し声だって聞こえてきます。
私はどこでも寝られるタイプではなかったので、そういった雑音が耳についてな中々寝られなかったのです。
そんなある日、私がネット通販のページを見ていると、関連商品の欄にあった耳栓が目につきました。
黒色のスポンジタイプの耳栓で評価がとても良く、折角だからついでに買っておこうと思い注文しましたのを覚えています。
今思えば私が見ていた商品と、どう考えても関連性なんてなかったのですが、その時はなぜだか気にならなかったのです。
それから3日もすると商品は無事届きました。
早速包みを開けてみると、真っ黒のパッケージに白字で「耳栓」とだけ書かれた手のひら大のケースが入っていました。
裏面にはよく分からない言葉が数行に渡って書かれおり、中身は黒の耳栓が二つ入っているだけした。こういものって何かしら注意書きとか書かれた紙が入っていると思っていたのでなんだか妙な気分でした。
「まあ、所詮耳せんだし音さえ遮断できれば文句はないか」
そんなことを思いつつ、早速その耳栓を使ってみることにしたのです。
装着した感じは何とも言えませんでしたが、こういうものなのかと思えば特に気になるほどのことではありませんでした。音の遮断率もまずまずで、値段の割にはそれなり使えるなと、いうのが素直な感想でした。
ですが、それは直ぐに訂正されることになります。
そのまま付けて寝よう、と思ったのですがどうにも気になることがあったのです。
寝て暫くすると耳元でガサガサと音がすることに気がつきました。耳栓をしているのにクリアに聞こえるそれは一体何だというのか。
どうにも気になって、耳栓を外して枕の周りを調べたのですが特になにもありません。気付けばガサガサとした音も聞こえませんでした。
気のせいだと言い聞かせて再び眠りについたのですが、やはり寝始めて少し立つとガサガサと音がしてくるのです。
流石におかしいと感じた私は耳栓を外してよく見てみました。
するとどうでしょう。真っ黒な耳栓。そのスポンジの中から1本黒い髪の毛みたいなものが出ているではありませんか。髪の毛が引っかかったのかと一瞬思ったのですが、触った瞬間それが違うことに気付きました。
つまんだ瞬間にその細長い髪の毛のようなものがズルズルと耳栓の中にはいって行くではありませんか。




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